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【マグ・イゾベール】グラスウールの工場見学

今回は、マグ・イゾベールのグラスウール製造工場を訪ねました。
グラスウールの製造工程の見学から最新の断熱設備の家での体験等、貴重な体験をさせていただいたのでレポートしていきます。

マグ・イゾベールとは

まずマグ・イゾベールとはどんな企業かご存知ですか?

マグ・イゾベールは、サンゴバングループの会社です。
サンゴバングループとは、ヨーロッパを中心に世界で展開する建材総合メーカー。
創業は1665年と約350年も前に遡るそうです。
フランスで設立された「王室鏡面ガラス製作所」が起源。
現在は、世界75か国で展開しており、約17万人が働いています。
日本で事業を展開しているマグ・イゾベールでは、茨城県の2工場でグラスウールを製造・販売しています。
断熱材だけではなく、気密シートやテープ、防音部材といった施工に欠かせない副資材のラインアップも充実しています。

マグ・イゾベールの工場

マグ・イゾベールの工場は、今回お邪魔した「明野工場」と、「土浦工場」があります。

工場はグラスウールの原料となるガラスを高温で溶かし続けているため、24時間体制で動いています。
ただ、実際に生産ラインを移動していても人と会うことはほとんどありません。
基本的には機械で生産が進むような仕組みになっていました。

マグ・イゾベールの工場にはいくつかルールがあります。
その中でも普段と違って面白いなと思ったのが、「フォークリフト・プライオリティ」というルールです。
通常、道路等では歩行者が優先され、歩行者の進路を妨害してしまうと車の運転者は違反となってしまいますが、工場内ではこれが逆転。
事故を起こさないために、人よりフォークリフトの進行が優先されるそうです。
しっかりと工場で気を付けるべきことを学んだら、早速工場に入らせていただきました。

工場に足を踏み入れた時にまず目に入るのが機械のメンテナンススペースです。
工場の顔でもある整備所は、特にきれいに保っているとのこと。
(※工場内はどこもきれいに整理整頓されていました)
作業にそった必要な道具がそれぞれのテーブルに置かれており、見学した時は定期入れ替えのための一式が整備されていました。
24時間稼働しているので、生産ラインが急に止まったりしたら困りますよね。
機械は定期交換していて、そのために予備を整備しているとのことでした。
それでは早速グラスウールの生産現場を見ていきましょう!
※今回は完成からさかのぼっていく形で見学させていただきました。

グラスウール工場見学

決められたサイズにカットされたグラスウールが次々に圧縮梱包機に機械で投げ込まれていきます。
必要数量が入ったら、上からぎゅっと圧縮します。
圧縮したものを横にある袋に入れて口を圧着すればグラスウールが完成です。
こちらの工程は全て機械で作業が行われていました。
工場内は撮影できない場所も多く、お見せできないのが残念です。
ガシャンガシャンと次々にグラスウールが製品化されていく様子は見ていてとても面白かったです。
次の工程を紹介していただく前に、工場内の作業スペースで出来立てのグラスウールを触らせていただきました。
こちらは繊維状のガラスだけで接着剤もついていない状態です。
見た目はまるで綿あめみたいです。触り心地もふわふわしています。
グラスウールの断熱材は、日本でも何社かメーカーがあります。
その中で、マグ・イゾベールの特徴は、植物由来のバインダー(結合剤)を使っていること。
トウモロコシ等を原料とする糖成分から作られた環境フレンドリーなバインダーです。
植物由来のバインダーを使っているからこそ触り心地がふわふわでチクチクしないのだそう。
グラスウールはガラス繊維なので、チクチクする、というイメージがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回、触ってみてグラスウール=チクチクといった印象が一気に変わりました。
※床トップ剛床など、用途により石油由来のバインダーを使用している商品もあります。
 
圧縮前のグラスウールもみせていただきました。
圧縮前なのでこちらもふわふわです。
これを圧縮して所定の厚みにしたものが先ほどの工程で見せていただいたグラスウールとして出荷されていきます。
一方で、自立性が必要になるものは、若干手触りが違います。
ポリエチレンフィルムで6面をパックされたものが東京以西では一般的とのことでしたが、より高性能を求めるビルダー様はフィルム無しのものを使われるそうで、それらは自立性を保つため少し固めに作られているそうです。
植物由来の結合剤だからこそ柔らかい手触りを保ちながら、しっかりしたコシのある断熱材を作ることができます。
次に、袋詰めして袋を裁断する/グラスウールを裁断する 工程を見学しました。
人の手はほとんど入っておらず機械で工程が進んでいきます。
ふわふわの状態のグラスウールを裁断するときに端もカットされるのですが、
そこで切り落とされたグラスウールは再度ファイバライザー(ガラス繊維化設備)の方に行き、リサイクルされています。
さらにその前工程は、オーブン です。
こちらの部屋は入った瞬間本当に綿あめ工場に来たのかな?と思うような甘い匂いがしています。
元々400mm厚くらいのものを250℃で加熱し、反応させています。
そうすると、植物由来のバインダーが熱せられて綿あめのような良い匂いがするそうです。
ガラスの繊維化の際に使われる、スピナーも見せていただきました。
穴の数はなんと数万個ほどあいているそうです。
これが回転して、ガラスが穴から細い糸状になって出てきます。
そうして出てきたものがグラスウールになります。
コントロールルームについたところで、小休止。
材料の説明をしていただきました。
材料には、EGカレット/板硝子カレット/ミルパウダー/長石/ボラックス があります。 
裁断の時にカットされる端っこの製品にならなかったグラスウールがミルパウダーとして再利用されています。
EGカレット/板硝子カレット/ミルパウダーはどれもリサイクル原料です。
長石/ボラックスはこれがないとグラスウールにできません。
リサイクル原料が8割以上を占めており、原料だけでなく排ガスも再利用しているとのことでした。

まさにエコフレンドリーな建築資材ですね!
さて、続いては ファイバライザー/ガラスを溶かす工程 を見せていただきました。
加熱され、溶けて真っ赤になったガラスがグラスウールになる様子を見ることができました!
こちらのラインでは3台のファイバライザーが稼働しており、どんどんガラスを繊維状に変えていました。

等級6“+”の家を体感!

工場でグラスウールの生産方法を見せていただいた後は、実際に体験してみよう!ということで
隣接されているイゾベール・マルチコンフォート体感ハウスにて等級6“+”レベルを体感します。
※マグ・イゾベールが推奨するオリジナルのコンセプト、等級6“+”は、品確法・住宅性能表示制度の認定、表記ではありません。
等級6“+”の住環境なら、24時間365日全館空調のある健康で快適な暮らしを楽しめます。
 
断熱レベルの低い家は、窓から冷たい空気が流れてきます。
一方こちらの等級6“+”の家は窓が樹脂製で、さらにトリプルガラスになっています。
そしてなんといってもこの壁の厚み!
この厚み分、断熱材が詰められているそうです。
部屋の中は暖かく、この日は2月で寒かったのもあって「ここから外に出たくない」となってしまいました。
そのくらい外気の影響を受けておらず暖かさが保たれた空間でした。

また、等級6“+”ともなると部屋の上下で温度差がないのも特徴。
確かに、普段の家は暖房をかけていても足元は冷える…ということがありますよね。
また、防音性能も高いことを実感。
外では、出荷用のトラックが出入りしていたのですが、ほとんど音が聞こえませんでした。
実際に住まわれている方だと、雨の音に気付かないくらい防音効果があるそうです。

そもそも断熱等性能等級って何?

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められた、住宅性能表示制度において住宅の断熱性能を示す指標に「断熱等性能等級」があり、1~4の等級に区分されていました。
それが2022年4月1日にさらに上位等級である断熱等性能等級5が新設されました。
さらに2022年10月からは等級6、7が新設されました。
等級の数字が上がるにつれて、家の断熱性能は高くなるということになります。

断熱等性能等級4

1999年に設定された、次世代省エネ基準
2025年以降は適合が義務付けられています。
これまでの最高水準でしたが、今後住宅建築時には最低基準となります。

断熱等性能等級5

強化外皮水準(ZEH相当の外皮性能)
2030年までに、全ての新築住宅に断熱等級5への適合が義務付けられます。

断熱等性能等級6

省エネ基準より概ね30%削減するレベルです。

断熱等性能等級7

省エネ基準より概ね40%削減するレベルです。

イゾベール・トレーニングセンター

イゾベール・マルチコンフォート体感ハウスの隣にはマグイゾベールの研修センターがあるのでそちらも見学させていただきました。
ここは、施工研修もできるようになっており、グラスウールの正しい施工方法を学べる場所となっています。
実際に試させていただきましたが、ご用意しているサイズも豊富なので 正しい商品を選びさえすればポンとはめるだけで施工は難しいことではありません。
(ちなみに、画像の施工体験させてもらったグラスウールは、発売前のλ32の最高性能商品だったとのこと)
しかし、家にはまっすぐの柱だけでなく筋交い等もあります。
グラスウールは正しい施工をしなければ正しい性能を発揮できません
サイズの違う商品を無理やり詰め込んだり、隙間があいてしまうと断熱性能は落ちてしまいます。

そんな話の際に出てくるのが「C値」。
少しだけC値について説明します。

C値(相当すき間面積)

家にどれくらいすき間があるのかを示した数値です。
建物全体にある隙間面積を延床面積で割った数値で、建築した建物の気密性能の指標として用いられます。
C値が1.0の場合、隙間面積はハガキ約1枚分となります。
ただ、このC値は実際に家が建ってみないと計算できない指標です。
また、C値が0になることはあり得ません。
電気の配線等、どうしても隙間が生まれてしまう部分はあるからです。

いちおし!商品

ぜひご紹介したい、とご説明いただいたのがイゾベール・バリオ エクストラセーフ
防湿と透湿の性能を持った、年間を通じて躯体内の湿度を管理する調湿気密シートです。

マグ・イゾベールはフランスのサンゴバングループ。
イゾベール・エクストラセーフのような調湿できる気密シートはヨーロッパでは当たり前に使われていました。

近年、夏の平均気温の記録更新、ゲリラ豪雨など異常気象の増加に伴い、冬場だけでなく夏場に結露するリスクがあることが報告されており、特にすき間の少ない、昨今の高断熱高気密住宅の場合、冬の「防湿」だけでなく、夏に「透湿」するという考え方を取り入れることが、住環境を長期間快適に保つポイント、とのことです。
イゾベール・エクストラセーフは、周辺の相対湿度に合わせ、「冬は防湿」「夏は透湿」の機能を発揮し、躯体内の湿度を年中適切に保つ手助けをします。

断熱材を施工後、シートをタッカーで柱に止めつけます。
シートが半透明になっているため、石膏ボードを貼る際にも柱の位置を把握しやすく施工性にも優れた製品です。
ちょっと変わったおもしろい製品「グリーングルー」。
塗るだけで遮音性能を発揮するボンドタイプの遮音材です。
2枚のボードの間に挟むことでボードを伝わる振動を抑え、壁、床、天井から伝わる音を小さくすることができます。

チューブ1本で910×1820mm 1枚分に塗ることができます。
例えばトイレのリフォームの際に、グリーングルーを3本持っていけば防音対策はOKです。

グラスウールをカットしてみました!

普段直接グラスウールを触る機会も少ない私たちですが、せっかくなのでとカット体験をさせていただきました。
実は当店のグラスウール関連商品で1番売れているかもしれない(?)商品が、グラスウールカッターです。
サイズも大きい場合が多いため専用のグラスウールカッターを使われる方が多いのでしょうか。
今回、実際にグラスウールを切らせていただいたところ、まっすぐきれいに切ることができました。
そんなに力を入れる必要もありません。
グラスウールは普通のカッターでも切れますが、一気に切るのは難しそうな印象です。
さらに、やはり専用カッターで切ると切り口が美しいです。

カッターを購入される際は、持ち運び用にケースも一緒に購入されることをおすすめします。

いかがでしたか

家づくりの際に、壁の色や、床の柄はお施主様でも確認できます。
ただ、壁の内部のこととなると、どんな施工が行われているのか知りようがありません。
断熱性能の高いグラスウールをお施主様が選んでいたとしても、正しい施工が行われていなければ十分に効果を発揮できないからです。
そのため、マグイゾベールでは今回伺った研修センターで施工者トレーニングも行っているとのことでした。

リサイクル材料を使って日々多くのグラスウールの生産を行っていることや、実際にそれが正しく届くように日々奮闘されていることを知ることができた工場見学でした。
 

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